憧れの真空管アンプ(その7) |
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真空管ハイブリッドOTLアンプ/12AX7&FET(SEPP) |
7作目となる真空管アンプです。
今回は納得の出来上がりに、凸アンプ(Deko Amplifier)と命名!!変な名前・・・。
小さなハムノイズが気になっていた5作目(真空管&FETのハイブリッドアンプ)のリベンジ作です。
真空管は、手元にあった12AX7です。ゲイン(利得)が高すぎるので、P-G負帰還をかけています。
51kΩと510kΩのP-G負帰還で、ゲインは10倍(20db)としたのですが、これが意外と効果があるようです。(理論上は10倍ですが、実際はもっと少ないと思います。)
コンプリメンタリのFET(2SK1058&2SJ162)によるSEPP回路でスピーカーをドライブしています。
5作目のハムノイズの要因は、安物の電源トランスではないかと推測・・・。
であれば、電源トランスを離すことで解決するのですが、いっそのことシャーシー内部から電源トランスを取り除くことに決定!!
そのため、電源アダプターの12Vを昇圧して、200Vを作り出すことに・・・。
aitendoの高電圧出力昇圧キット「AKIT-150V1.2」を利用します。
キットで600円(税別)です。パーツを集めて作るより、はるかに安い!!
「高電圧出力昇圧キット」(AKIT-150V1.2) → その1 その2 その3
12AX7だけが突き出たシンプルな外観です。
このルクックスが「凸アンプ」(Deko Amplifier)の愛称の由来です。
電源トランスや出力トランスがないので、内部はスカスカで、とにかく軽い。
今回のアンプの特徴である電源アダプター(12V・3A)です。
処分したパソコン用ディスプレイに使用されていたものです。
デジタルアンプ(TA2020-020)と共用です。
基板の表面です。
「高電圧出力昇圧キット」(AKIT-150V1.2)を取り付けています。
パーツを取り付けた後に、行き当たりばったりで配線したので、ジャンパー線を多用することになりました。
基板の裏面です。
裏面にもジャンパー線が・・・。
■回路図■
・12AX7はP-G負帰還をかけて、高すぎるゲインを10倍(20db)に調整して、歪みを減らすとともに、周波数特性も改善します。
・もちろん高価で重量のある出力トランスは使用していません。(OTL)
・SEPP回路は、教科書に載っているような基本的なものです。
・トランジスタと比較して、熱暴走が起きにくい正の温度特性を持つFET(2SK1058&2SJ162)を使用しています。
・単電源のため、低音がちょっと不安だったので、アウトプットコンデンサに大容量(4700μF)の最高級オーディオ用電解コンデンサを使用しました。
・最高級オーディオ用電解コンデンサといっても、価格は500円弱で、数万円の出力トランスに比べれば安いものです。
・単電源のアンプは、オーディオマニアに軽視されがちですが、アマチュアが自作するのに、シンプルな単電源のほうが複雑な両電源よりも作りやすく、高音質が期待できると思います。
・そもそも、素人が完璧に+−がそろった両電源にするほうが難しい・・・。
・大容量の電解コンデンサを装備して、高音質を目指しました。
■動作点■
・データシートと少し誤差があります。
・データシートと少し誤差があります。
・Vgsは、ダイオード3個で1.43Vです。
・ソース抵抗(0.15Ω)の両端の電圧が10.4mVなので、アイドリング電流は約70mAです。
■実態配線図■
実態配線図なしで、行き当たりばったりで作りました。
経験と勘です。職人か!?(笑)
■視聴結果■
ほとんどノイズはありません!!驚きです。
真空管のヒーターを直流点火しているので、ヒーターノイズは、交流点火に比べて、小さいはずです。
電源トランスがシャーシー内部にないので、電源トランス由来の誘導ハムノイズも考えられません。
無入力時は、スピーカーに耳を近づけると、「高電圧出力昇圧DC-DCコンバータ」(AKIT-150V1.2)からと思われる小さなノイズがあります。
とは言っても、これまで作製した真空管アンプのノイズと比較しても、最小レベルです。
音質は素直な感じです。バカ耳です。スミマセン。
■真空管アンプの魅力■
部屋を暗くすると、真空管のムードが最高です。
これが真空管アンプの最大の魅力なんですよね〜。
真空管を差し替えて楽しむこともできます。
違いを聞き分けはできませんでした。(笑)
■自作のすすめ■
真空管アンプを自作するなら、この「凸アンプ」(Deko
Amplifier)はお勧めです。
高価な出力トランスが不要(OTL)でパーツ代が安く、シンプルな回路で作りやすく、完成後もガッカリするようなノイズはほとんどありません。
■終わりに■
今回、納得のいく真空管アンプが出来たので、真空管アンプの製作は、当面、お休みしようと思っています。
しばらくメインアンプとして使用する予定です。
【作製記録】